そもそも原作を知っていなくても楽しめるのか?
ディズニー最新作『ダンボ』を観てまいりました。
この『ダンボ』は、1941年にアメリカで公開された同名アニメーション作品を実写映画化した作品です。
今作は予告編の段階で惹かれるところがあまりなかったためスルーしようかと思っていましたので、原作であるアニメ版『ダンボ』を未鑑賞のままでの鑑賞となりました。
原実写版は興味あるけど原作アニメは観ておいたほうがいいのかな…という方にもオススメできるか否かレビューしていきたいと思います。
満足度★★★
結果から書きますと、原作アニメ版の『ダンボ』を観ていなくても問題はなさそうな作品でした。
そもそもの原作が古い作品ということもあって、名前は知っているけど観たことないなぁって方も多いと思います。
もちろん私もその一人ですが、そんな方でもわかりやすいようなストーリーに仕上がっていたと思います。
そのあたりはディズニーらしさの良い部分が出ていました。
子供から大人まで誰が観ても楽しむことができるのはいいことですね。
ティム・バートン監督らしいビジュアルは不発気味?
今作の監督は過去のディズニー映画でも多数仕事をしているティム・バートンですね。
ティム・バートン監督の作品と言えば一見すると不気味とも思えるキャラクターデザインが魅力の一つです。
『チャーリーとチョコレート工場』『アリス・イン・ワンダーランド』などではジョニー・デップとタッグを組んで大ヒットを記録していました。
このあたりの作品なら監督の独特なビジュアル感がよくわかるのではないでしょうか。
最近では『ミス・ペレグリンと奇妙な子どもたち』の監督を務め、これまた大ヒットを記録しています。
これまたそれぞれが奇妙な能力を持った子どもたちが主人公であり、ビジュアル的に監督の作風と非常にマッチした作品でした。
この作品で主演を務めたエヴァ・グリーンは今作でも引き続き出演しています。
『ダーク・シャドウ』にも出演していましたから、エヴァ・グリーンはティム・バートン監督のお気に入りかも知れません。笑
しかし、そんなティム・バートン監督独特のビジュアルセンスは今作では少し落ち着いていたように思います。
そもそもの題材が象ということもあって、どこをどう切り取っても独特なセンスを発揮しようもない動物が相手ということで、あえて不気味なデザインは捨てて勝負したのかもしれませんが、
一方で不気味さはなくとも非常に愛らしいデザインをダンボに吹き込んでいたと思います。
動物ではありながら、非常に表情豊かで感情のわかりやすいかわいらしいデザインでした。
ダンボの母像であるジャンボをはじめ、ダンボ以外の象の表情にはそこまで強い豊かさを感じませんでしたが、ダンボだけは笑った顔や怯えた顔など、一目でわかるわかりやすさがありましたね。
この辺りはいつものティム・バートンのビジュアルを期待すると少し残念かもしれませんが、最近のディズニーが推し進める全年齢対象の映画としてはよかったのではないかと思います。
ディズニーらしい良いところと悪いところ
ディズニーは最近はあまりオリジナル作品で勝負しなくなったなという印象が強くなってきました。
最近のディズニー実写映画のラインナップを見るとわかるのですが、既存作品の続編映画、あるいは既存作品の実写化映画が非常に多くなってきました。
これから製作・公開されるラインナップを見ても、『アラジン』『ライオン・キング』『ムーラン』といった作品が並んでいますから、
正直置きに来ているなぁとしか思わないんですよね。
そして今作『ダンボ』も冒頭で述べたようにアニメーション作品の実写化映画です。
ここ最近のディズニーの挑戦をしないスタンスはあまり好かないなぁというのが正直なところです。
ただし、作品のクオリティに関して見れば決して悪い作品を連発してるわけではないし、面白い作品だっていっぱいあるので評価が難しいとこではあります。
『ダンボ』も子供から大人まで、家族で観たっていいし、カップルで観たっていい。
もちろん友達同士で観ても楽しめる作品であることは間違いない手堅い作品だと思うのですが、
その手堅さがディズニーの悪いところでもあるなぁと思いますね。
いい映画だったなと思うと同時に、何か物足りなかったなという思いが同時に芽生えてきます。
これは昨年公開の『くるみ割り人形と秘密の王国』でも同じことを思っていました。
なんとなく先が予想できるし、特段驚きに満ちたラストが用意されていないんですよね。
手堅く手堅く、全年齢対象の作品作りを続けてしまっているなぁというのが、筆者にとっては少し残念な部分ですね。
まとめ
手堅さが仇となって、楽しかったなぁ!また観たいなぁ!とはならずに終わってしまった『ダンボ』ですが、もちろん悪いところばかりではなく、
ディズニー映画という敷居の低さで普段映画を見ない人でも気軽に楽しんでもらえる作品ではあったともいます。
また、マイケル・キートンを悪役に据えるあたり、キャスト面では本気度の高さを感じますし、
何よりもダンボの愛くるしい表情豊かなデザインは何よりの魅力でした。
私のようなひねくれた考え方をしなければシンプルに楽しめる作品だったと思いますので、是非とも気軽に劇場に足を運んでもらいたい作品です!
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